JPOとEPOの合意に基づく優先権書類の電子的交換サービスの終了

欧州特許庁(EPO)は、2020年6月末をもって、日本特許庁(JPO)との合意(二庁間PDX)に基づいて従来提供していた優先権書類の電子的交換サービスを終了しました。

従前、欧州特許庁(EPO)は、日本特許庁(JPO)との間で結ばれた合意(二庁間PDX)に基づいて、優先権書類の電子的交換サービスを提供していました。この合意の下、EPOは、日本出願に基づく優先権を主張したEP出願について、必要であれば基礎出願の写しを無料で自動的に取得する運用を行っていました。

EPOは、この運用を2020年6月末をもって終了することを2020年3月31日付けの通知で発表しました。この結果、2020年7月1日以降になされる出願について、EPOは、日本出願が優先権の基礎である場合、優先権書類の写しを自動的に取得することができなくなります。

なお、DAS(Digital Access Service)を利用した優先権書類の提出は従前通り可能です。

EPOの公式発表(PDF)
https://www.epo.org/law-practice/legal-texts/official-journal/2020/05/a58/2020-a58.pdf

関連するJPOの発表は以下のリンク先を参照ください。
https://www.jpo.go.jp/system/process/shutugan/yusen/das/pdx-epo.html

「欧州特許庁と日本国特許庁との間の二庁間での優先権書類の電子的交換(二庁間PDX)については、2020年6月30日までに第二庁としてこれらの特許庁になされた出願をもって終了します。同年7月1日以降の出願についてはDASを利用した優先権書類の電子的交換をご利用ください。」

優先権書類の提出期限は優先日から16月以内と規定されています(EPC規則第53条(1))。しかしながら、この期限経過後であっても、EPC規則第59条に基づく通知に応答する形で優先権書類を提出することが可能です。

本稿に関し、不明な点がございましたら下記までご連絡ください。

レジャンボー 日本デスク

Japandesk@regimbeau.eu

  • レジャンボーについて

    欧州を拠点とする特許・商標事務所であるレジャンボーは、事務所設立以来90年間にわたって、革新的な知的財産(特許、商標、意匠)の権利化・保護を通じて、様々な企業および公的機関の事業活動を補助してきました。14名のパートナーのもと、200名を超えるメンバーから構成されるチームが、専門知識を活かし、知的財産に関するあらゆる戦略的事業活動――ビジネス・インテリジェンス、情報検索、ライセンス契約、知的財産ポートフォリオ監査、事業提携交渉、知的財産の買収、訴訟に関するサービスを提供致します。

    パリ、ミュンヘン、リヨン、レンヌ、グルノーブル、モンペリエ及びトゥールーズに拠点を構えるレジャンボーは、広範囲にわたる専門知識・経験を活かし、クライアントの国際戦略に基づくニーズを満たすとともに、各クライアントと最高レベルの信頼関係を構築できる態勢をととのえています。

Published by

田原正宏

欧州特許弁理士・日本国弁理士